カテゴリー:生活の一片
2008年09月02日
【 古布の がま口 -織部-】
仕事の合間に お琴を習い始めた。
私の職場には、ほんとうにたくさんの‘すごい人’が いて
お茶のお師匠さんや華道の家元だっているし、現役国体選手や
元 Jリーガーも いる。そして、お琴のお師匠さんも。
お琴のお稽古を始めたきっかけは・・・ 今となっては
思い出せないけれど、職場の、私より30歳も年上の
お琴のお師匠さんの資格をもっている隣の部署の
上司との、昼休みの軽口から始まったのは確か。
「あらぁ、お琴やってみたいの? じゃぁ教えてあげる。」
「やったぁ!ぜひ、お願いします!」
仲良しの友達と3人、週に2時間ぐらい 教わっているのだけれど、
32の誕生日を迎えて 頭は固くなってるし、頭のやわらかい年代は
ずっと 西洋音楽(ピアノ)を習っていたもので、その時の記憶が
全身に深く刻み込まれているから、その後遺症(?で)、音階が全て
ドレミで聞こえてしまう。
「一、二、三、四、五、六、七、八、九、十、斗、為、巾」
なんて 順番に弾いているあいだは なんとかなるのだけれど
「巾、十、為、九、斗、八・・・」と ちょっと変則的に
なってしまうと、もう だめ。 ピアノでいったら、まだ
バイエルにも達していない程度なのだろうが、頭と指先と
背すじとが バラバラになったかのような 混乱状態。
でも、それでも 美しい音を聞いていると 心が すーっと
落ち着くから、仕事で頭を掻きむしったような後でも
ちょっと癒やされるから、音楽って不思議。
ご存じの通り、お琴は指先に‘爪’を はめて弾くのだが
これが思いのほか高価で驚いた。
「これって、買わずに借りることは できないんですか」
なんてバチ当たりなことを訊いてしまったほど。
ほんものの象牙だから、仕方ないのだけれど びっくりした。
‘爪’は、ちょっときつめに作ってあって、ぴったり
はめるために、指先を口に含んで 唾でちょっと湿らせる。
だから、‘借り物’では お稽古は できないのだ。
この『指先を口に含む』という動作も、お師匠さんは
上品で、「舐めてます」っていう雰囲気ゼロ。
私たち弟子1号~3号(仮名)は、思いっきり指を咥え
品のないこと極まりない。お師匠さんは 何も言わないけれど
そういうところは、お師匠さんの一挙手一投足を見て、
自分から率先して学んでいかなきゃね。
‘爪’は、うんと高価だったのだけれど 付属のケースは
プラスチックの簡素な箱だ。
「ちょっと可愛くしちゃおう」と、私たちは桜の形の
シールを貼ってみて、満足していた。
でも、ふと見たら、お師匠さんは、爪を和柄の がま口に
入れていた。
「・・・見た?」
「見た見た!私、真似しちゃおうっと!」
「私もー!」
プラスチックのケースに入れて カタカタと音をさせながら
持ち歩くよりも、布で包み込むと なんとなく日本女性らしい
‘慎み’が感じられるような気さえする。
何より‘気分’が出るし ね。
さっそく、織部で、和柄の がま口を購入。

着物の古布で作られているから、片面ずつ 柄が微妙に
異なるし、たぶん世界中に同じモノは2つと ない。
色々な柄や色のものが売られていたのだけれど、私は
ちょっと若々しく見える赤を選んだ。
次のお稽古は、水曜日。
冷や汗でびっしょりになりながらも、まっすぐに音に
向き合う瞬間が心地よいから、とても楽しみ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 織部 》 4階
古布の がま口 財布 577円
2008年08月31日
【 32歳の誕生日 -TIME&TIDE-】
今日で8月も終わり。
2008年の3分の2が終わってしまった。
SELVAでは、エスカレーターに乗って ふと
壁を見ると『今月は休まず営業します』の文字。
1月1日まで、SELVAは ずっとお休みナシ
なのは、とてもありがたい。
8月20日、SELVAのお休みの日は 私の32歳の
誕生日だった。
ハッピーバースデイの歌を歌ってくれるような彼氏も
なく、普通に働いた普通の1日で せいぜい職場の仲間が
「プレゼント!」とか言いながら、頂き物のお菓子を
回してきたり 使いかけの(!)消しゴムをくれたりした
くらいだったけど。
でも、その週末。
ゴハンを食べに行こう、と誘われて 職場の仲良し
5人で裁判所近くのイタリアンのお店に行ったら、
それは なんとサプライズのバースデイパーティーだった。
私は マナーモードにした携帯電話の振動が他の人に
伝わるのが申し訳なくて嫌で、デスクの上には必ず
タオルハンカチを畳んで敷いて携帯電話を置いていて、
その隣にはコースターを敷いてスタバの2008年版
SAKURAタンブラーを置いている。
これは私なりの、仕事をしやすい配置なのだけれど、
誰にも話したことは ないのに、皆は それに気づいて
いたようで、「おめでとう!」の声とともに 可愛く
ラッピングされたタオルハンカチとコースターと
タンブラーのセットをくれた。私の大好きなピンク色で
統一してあるそれは、いかにも私の好みそのもので、
とても感動した。
「私の好み、なんで知ってるのー!?」と思わず叫ぶと
まだあるんだよ、と差し出してくれたのはピンクの薔薇と
かすみ草の花束。
今の職場に異動してから4ヶ月しか
経たないのに、こんなにも
良くしてくれる仲間に恵まれたことに
深く感謝した。
驚きと喜びが強すぎて涙も出ないし、
ありがとうの言葉もしばらくは声に
ならなかった。
働くっていうことは‘傍を楽にすること’
なんて言うけれど 私は皆に こんなに
嬉しい気持ちを貰っているんだと
身体の芯まで 感動が染み込んだ。私は初めて行ったレストランだったのだ
けれど、オーナーシェフからも小さな花束を頂いて、23時に閉店した後も
しばらく貸切にして頂いて、楽しい夜は あっという間に過ぎていった。
さんざんスパークリングワインを飲んだというのに
二日酔いなんて全くなく 爽やかな朝を迎えた。
「こんなに嬉しい気持ち、どうやって お礼をしよう・・・」
と呟いた時、じゃぁ 次は1月に また このレストランで
バースデイパーティーをしよう、だから余計な気は遣わないで
って言われたのだけれど、そんなことじゃ 私の気持ちは
収まらない。さっそくSELVAに向かった。
さんざん悩んだのだけれど、お礼のプチプレゼントは、
「はらぺこあおむし」のメモ帳に、決定。
乾杯の時に「貪欲に上を目指して働く よるみちには
いつも学ばせてもらってる」と言ってもらったことを
受けてのセレクト。
私は あおむしみたいに、ほんのちょっとずつしか
前に進めないけど 皆から貰う元気が いつも お腹と気持ちを
いっぱいに満たしてくれているんだよ、という気持ちを込めて。
週明け。
デジカメで撮った写真を現像して、お手紙と一緒に この
プチプレゼントを 皆のデスクに置いてまわった。
出勤してきた皆が、こんなに可愛いメモ帳、いったい どこで
売ってるの?と訊いてきたけれど、内緒。
職場の いろんな人のデスクに‘○○さんからtelあり’とか
‘××の書類 不備でした’とか‘今日のランチは食堂ね’
っていう はらぺこあおむしのメモが置いてあるのを見ると
楽しかった夜を思い出して くすっと笑っちゃいたくなる。
彼氏との甘いバースデイも良いけど、あんなふうに過ごすのも
全然 悪くないと思っている。
もちろん、素敵な彼氏は募集継続中だけどね。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 TIME&TIDE 》 4階
はらぺこあおむし のメモパッド 399円
こんなに小さく安いものなのに、店員さんが
嫌な顔ひとつせずに可愛くラッピングしてくれました。
2008年08月18日
【 ためして あたしンち -八文字屋-】
短いお盆休み。
8月14日から8月16日まで、実家に泊まった。
実家の すぐ近くにアパートを借りているから、
夜は自分のアパートに帰るのがほとんどで、この
5年間のうち、実家に泊まったのは ごくわずか、
片手で数えて足りるくらい。
ひとり暮らしを始めてからは、「せっかくの夏休みを
大好きな彼氏と過ごしたい!」と思っていたから、
実家に帰ったりお墓参りに行ったりしても、
アパートに帰って彼氏を待つことばかり考えていた。
今年は、一緒に過ごす彼氏なんて いないから、
ただひたすら、実家で両親と妹と過ごした。
妹は、ここ数年 特定の恋人は いなかったのだけれど
帰省する数週間前に知り合った彼と つきあい始めた。
「一般的な、ラブラブのカップルとは 違うの。」
なんて言っていたけれど、ひっきりなしにメールを
受信している携帯電話が、2人の関係を物語る。
お墓参りをしたり、郊外の ちょっとお洒落な
ログハウス風のレストランに連れて行ってもらったり、
蓮のたくさん浮かんだ沼を舟で渡ったり、父にパソコンの
使い方を教えたりという ありふれた日常や、好物ばかりが
並ぶ食卓を うんと満喫して、17日の夜に、私はアパートに
帰ってきた。
部屋を片付けないまま実家に帰ってしまったので、
乱雑な部屋を眺めて途方に暮れながら、買っておいた
漫画本をパラパラと捲った。
けらえいこ氏の『あたしンち』は、読売新聞の日曜版に
掲載されている漫画で、父 ・ 母 ・ 長女の「みかん」 ・
長男の「ユズヒコ」の4人家族について、主に描かれている。
登場人物の「母」が、うちの母に そっくりだとか、
主人公の弟の「ユズ」が笑えるとか、主人公「みかん」の
要領の悪さが私に似ているとか、毎週日曜日、実家に
いる頃は 母と よく笑ったものだ。
父は、“漫画なんて、くだらない”と苦々しい顔で
私たちを見ていたっけ。
この『ためして あたしンち』には、これまでの作品の
中から選りすぐりのものが載っている。
爆笑、とまでは いかないが、ちょっとくすっと笑える
作品ばかり。
ひとりでベッドに寝転びながら にやにやして読んでいた。
でも、「No.19」のお話は ちょっと違った。
高校生の「みかん」は友達と過ごす、父は仕事、ということで
クリスマスを家で過ごすのは母と「ユズ」だけ。
「ユズ」は、虚しく感じるから派手なクリスマスは嫌だと
言うのだが、夕飯の買い物に出かけた母は、賑やかな
商店街を歩いているうちに、家族皆でワイワイ過ごした
クリスマスが脳裏をよぎり、つい派手な いつものクリスマスと
同じように準備してしまったというお話。
母は子供たちが幼かった頃のクリスマスを振り返りながら
家族皆が揃わなくなり、派手なクリスマスの必要はないと
言われた今年のクリスマスを思い、「それだけ子供たちが
大きくなったってことかな」と呟く。
思わず泣いてしまった。
もしかしたら、今までのお盆も クリスマスも、うちの
両親は同じように感じていたのだろうか。
大人になって、すこしずつ親離れをする過程で、私は一度も、
両親のほうを振り返ることなく歩いてきてしまったのか。
“親離れ”は、あたりまえのことなのだろうけれど、
もうすこしゆっくり離れてきても良かったかなと思う。
今度は、もうすこし頻繁に 両親の元に帰ろうかな。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 八文字屋 》 5階
ためして あたしンち 399円
2008年08月04日
【 朝顔の手拭い -八文字屋-】
和服の柄は、古典柄が好きだ。
最近では 薔薇や百合なんかの柄の浴衣が多く出回っていて
もう それは定番化しているけれど、和モノといったら、
私は やはり昔ながらの柄に惹かれる。
好き嫌いに理由なんか ないので、それを説明するのは
難しいことなのだが。
手拭いも、ついつい古い感じの柄ばかり手に取ってしまう。
色も、柄も、渋~い感じの この朝顔柄の手拭いは、ちょっと
昔の、たとえば まだエアコンなんて無くて、扇風機でさえも
贅沢な時代の夏を思わせる風情があって、素敵。
蝉の声、風鈴の音色、陽炎でゆらぐ景色、皆で囲む食卓に素麺。
ふと庭を見ると、萎んだ朝顔。
確かに、夏の鬱陶しさを満喫していた時代が ほんのすこし
以前には ここにあったのだ。今は、もう 記録の中にしか
見つけることのできない夏の景色を、掌に取り出して眺める
きっかけが、古典柄には、ある気がする。
職場では、『COOL BIZ』の水色のステッカーが
堂々と貼られているのに 冷房の効きが良すぎるようで、
今夏は 頭痛や肩こりのほかに 手足の冷えに悩まされている。
せめて自宅では、と、冷房を弱めに設定するのだが 冷たい
空気は下に溜まってしまうから、足は冷たくなってゆくのに
上半身は汗で べたべたする。
いっそのことエアコンは停めて窓を全開に、と思って
試してみたら 足の冷えは何とか治まっても、暑くて何を
する気にもならない。
この手拭いは、暑さ対策のために買った。
ケーキなんかを買うと お店で貰える保冷剤を包んで、首の
後ろあたりを冷やすと、いくぶん 暑さが和らぐ。
(ネッククーラーのお手製版、という感じ。)
冷房の電源をOFFにして、窓を全開にしても、それほど
苦痛に感じない。
保冷剤は直に当てると冷たすぎて痛いし、フェイスタオルでは
布地が厚い分 冷たさを感じにくいし、顎の下あたりで結ぼうと
しても、ちょっと ごわごわして結びづらい。
その点 日本手拭いは、ちょうどよく首のあたりが ひんやり
するし、布地が薄い分 顎の下で結んで固定しやすい。
保冷剤のせいで 手拭いが濡れてしまっても、日本手拭いの
布地の特性上 乾きやすいから蒸れにくいし。
首に手拭いを結びつけているさまは さすがにオフィシャルな
場面では どうかと思うので、職場では 控えるけれど、
この ひんやり感、かなり病みつきになる。
機会があったら、どうぞ おためしください。
ちなみに私、日本手拭いは この夏 4本 買いました~
(この保冷剤式ネッククーラーのために!)
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 八文字屋 》 5階
朝顔柄の手拭い 840円
かまわぬ
※ 濃い色は 濡れると色移りしやすいので 薄い色の
お洋服を着ているときは ご注意ください!
2008年08月03日
【 黒パテントのハイヒール -MMK-】
7月末に大きな仕事が一つ片付いた。
その日の夜は、職場全体が‘打ち上げやろうぜ!’という雰囲気に
包まれたけれど私は丁重にお断りした。
どうしようもなく疲れきっていたし、その夜は はやく一人に
なりたかったのだ。
毎晩 24時過ぎまで仕事をする私たちを横目に、いろいろと言い訳を
しながら帰っていって大仕事の前々日あたりになって「俺、進捗状況
イマイチなんだけど・・・」と 焦り始める人や、自分のやるべき事を
放置して他のメンバーにやらせているくせに ボスの見ているところで
バタバタ動き回り いかにも自分が中心になって忙しく働いているんだ
という演出をする人や、仕事全体の流れを掴もうとせずに 現場をさんざん
引っ掻き廻すだけ引っ掻き廻してくれる人や・・・
とにかく、そういう人たちから解放されて のんびりしたかった。
その時の私は 打ち上げの店を予約しようと盛り上がっている人たちを
醒めた目で、見つめていた。
最後の後片付けを終えて、デスク周りの資料をファイリングしていたら
携帯電話にメールが届いた。
『 今夜、ジャズのライブがあるので一緒に行きませんか。
20時開演なので、19時には出発しましょう。』
送信者は、隣の隣のデスクの 私より6歳若い同僚。
職場の打ち上げには参加せず、別行動ということである。
彼女とは、毎晩 警備会社から連絡が来る直前の、最後の最後まで
一緒に頑張ってきた仲だ。
打ち上げのことで盛り上がっている連中を醒めた目で見ている人間が
ここにもいるのだということと、 行きませんか、と質問の形式を取って
いるけれどNOと言わせない文面に、思わず、笑ってしまった。
返信しようと携帯電話を右手に持ち直したら、隣の席の先輩が、
「行かないとは言わせないわよ。私たち ずいぶん頑張ってきたんだから
良い音楽を聴いて、癒やされるだけの権利は あるはず。」と、にやり。
私は子どもの頃から高校三年まで クラシックピアノを習っていて、
クラシックのコンサートには幾度も行ったことがあるが、ジャズは初めて。
CDなどでも聴いたことがなかったから、何が どのようになればジャズ
という音楽になるのか、ということも全く知らないまま、気づいたら
ビールを片手に狭い会場にいた。
ヴァイオリン・ピアノ・ベース・ドラムのカルテットはエネルギッシュで、
自由な雰囲気の中に クールな情熱(変な表現だが)を秘めた演奏が、
がちがちに固くなっていた私の気持ちをほぐしてくれたように思う。
ビールに ほとんど口をつけることなく、ライブは終わり、それでも
頭の中のどこかが痺れたように酔っていた。
近くのお好み焼き屋に入ったときは23時直前だったけれど心地よい興奮が
全身に行き渡っていて、疲労なんて もう全く感じていなかった。
「今日のジャズ、悪くなかったけれど ずいぶんとクラシック寄りだったのね」
先輩が ぼそっと呟く。
道理で、クラシック畑で育った私でも聞きやすかったわけだ。
その後しばらく、先輩と同僚の音楽談義が続く。
ビール数杯とお好み焼きを黙々とたいらげて、はぁ、と満足の溜息をついて
私は訊いた。「アンコールのタンゴは、何ていう曲?よく聞く曲だけれど。」
アストル・ピアソラの『 Libertango 』は、タンゴを知らない素人が
タンゴといったら思い浮かべるんじゃないかというくらいの、よく
聞く曲だった。私でさえ聞いたことがあるくらいだから、きっと有名な
曲なんだろう。
それがアンコールで演奏されたとき、私は思わず 自分の履いてきた靴を
見つめた。
あまりに苦しい毎日で、つい ずる休みをしたときにSALEで買った靴。
VII XII XXX の、黒パテントのハイヒール。
艶やかな黒のパテント、甲浅でシンプルなラウンドトゥ。
靴底は真っ赤で、ちらっとだけ見えるのが まるでルブタンみたい。
秋になったら履こうと思って買ったのだけれど、その日の大仕事を思うと
その靴のデザインのパワーに頼りたくなって、出がけに玄関先で思いついて
履き換えたのだ。その日の大仕事は、絶対に失敗したくなかった。この靴の
もつ攻撃的な雰囲気は、今日の私にぴったりだと思った。
その靴を履くために、服も着替えたほどだ。
タンゴの旋律は、ヴァイオリンの曲線的な音によって 私の全身に
染みわたる。 私にとってタンゴのイメージを色で表すと、赤と黒。
真っ赤な、背中の大きく開いたドレスの女と、黒い細身のシャツの男が
足を絡ませて踊るのをテレビで観て以来のイメージ。
女は より女らしく、男は より男らしく 踊るのだが、女は 決して か弱く
男に守られるような雰囲気では なく、女も力強く、あくまでも男と対等に、
時には挑発的に踊るところが、私がタンゴに惹かれる理由。
アンコールの演奏が終わって、拍手喝采のなか もう一度見ると、朝は
攻撃的に見えた靴が、とても官能的で女性らしい雰囲気に思えた。
いや、きっと この靴はそういう二つの特性を兼ね備えているのだ。
あれから私は、『 Libertango 』を毎日 聴いている。
仕事 仕事で、ついつい攻撃的な空気を纏ってしまいがちな自分を反省しつつ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 MMK 》 3階
VII XII XXX (vivier)の靴 10500円
*SALE
2008年07月17日
【 今日の出来事 】
今日は、仕事を ずる休み。
心身ともに限界がきたようで、昨日 突然 仕事中に涙が溢れて
止まらなくなってしまったのだ。
‘突然’とは言っても、原因は ちゃんとあって、でも いつもなら
毅然とした態度でいられるはずなのに 昨日は それができなかった。
皆が部屋を出て行って 一人になったら、堰を切ったように涙が溢れ
自分で それを止めることができず、嗚咽が収まるまで、ずいぶん
時間がかかった。
22時半に退勤するまで、ワケもなく何度も何度も涙が頬を伝ったけれど
下を向いてデスクワークに集中するふりをして、きっと誰にも
気づかれずに乗り切った。
毎朝5時に起きてシャワーを浴び、新聞を読んで、1日の予定を確認して
6時45分に家を出て、帰宅は23時。
靴を脱いで座り込むと、そのまま意識を失ったように眠りこけて
午前2時過ぎに 眼の乾きに気づいて目が覚めて、コンタクトレンズを
外し、メイクを落とし、パジャマに着替えてベッドに入るという日々。
疲労が溜まって、心を正常に保つ機能も低下しているのだろう。
遅くまで働いたって残業代が貰えるわけでもなく、このまま身を
磨り減らしても報われない。
自分を破壊してまで働いて、いったい私には何が残るのだろう。
・・・そう思って、今日は7時半きっかりに職場に電話を掛けて、
仕事を休む旨を連絡した。
そうして携帯電話の電源をOFFにして、テレビも主電源から
OFFにして、新聞だってポストに挿さったままにして、昼すぎまで
ひたすら眠りこけた。
目が覚めたら、シャワーも浴びずに髪をひとつに纏めて、埃を被った
車を運転してSELVAへ。
スタバではサンドウィッチと熱いコーヒーを飲んで かなり遅めの
ブランチ。
てもみん ではパウダーを使ったフットマッサージを45分間。
そして、MMKでSALEになっていた Ⅶ ⅩⅡ ⅢⅩを買って帰宅。
今夜は、久しぶりにお風呂に ゆっくり浸かるつもり。
こんな過ごし方、いったい どれくらいぶりかしら。
明日は、しゃきっとして出勤しようと思う。
今日の ずる休みで、ほんの少しだけエネルギーをチャージできたと
思うから。
2008年06月30日
【 ひとりぐらしも5年め -八文字屋-】
-「忙」という字は「心を亡くす」って書くから、忙しい忙しいって
言わないようにしようね-
・・・と話している同僚たちの声が聞こえてきて、思わず 睨んでしまった。
だって私、職場で「忙しい」なんて口にする時間も、楽しいおしゃべりに
参加する時間も無いくらい 忙しく働いているんだもの。
忙しいって口にできる暇のある人は いいよね、と心の中で毒づいて
はっとした。 ああ、私ったら、ほんとうにイヤな奴!
そんな私を ここのところ癒やしてくれていたのが、この本。
ほんわかしたイラストの、エッセイ絵本。
帰宅後の ほんの3分、ぱらぱらとめくるだけで、なんとなく
癒やされるのだ。
たぶん、ひとり暮らしの作者に、“同志”を感じているんだわ。
私も ひとり暮らしを始めて5年目で、共感できるところが いっぱい。
「わかるわかる!」とか「私も!」とか 心の中で相槌を打っていると
昼間 仕事で感じた悔しさや、「おかえりなさい」と言ってくれる人の
いない寂しさも、ちょっとのあいだ忘れられるように思う。
作者の たかぎなおこ さんは、ひとり暮らしを『自由で気まま、だけど
ちょっぴりせつない』と言っている。
私は、そこにもうひとつ 付け加えたい。
『そして、孤独と向き合えない人には ちょっとムズカシイ』 って。
私は、幸か不幸か、‘孤独と向き合うこと’どころか、孤独そのものが
決して嫌いじゃない。
もちろん誰かと一緒にいることも大好きだし楽しいけれど、
孤独とは、‘自分と きっちり向き合うための時間’と定義しているから。
そして今夜も私は ひとり、ひとり暮らしの部屋で、持ち帰ってきた仕事を
している。 今日という日があと1時間で終わってしまうから、せめて
その前に片付けてしまわないと。
ひとりぐらしも5年め。
明日も、良いこと ありますように。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 八文字屋 》 5階
ひとりぐらしも5年め 980円(税別)
ひとり暮らしを始めて間もない人や
ホームシックにかかり始めた人にも
おすすめの、エッセイ絵本。
2008年06月29日
【 梅雨時のお茶のひとときは無印良品のお道具で -無印良品-】
入院中の母のところに通って洗濯物を預かったり届けたり、
仕事ではピンチが3つも4つも重なって帰宅は午前0時
ぎりぎりという日々で、正直なところ、とてもじゃないけど
blogまで手が回りませんでした。
SELVAには時々 足を運んでいたのですが、行けば必ず
記事を書けるというわけでもなく、今月は こんな感じで
終わってしまいます・・・
ほかのbloggers は せっせ せっせと書いているのに・・・
ごめんなさい。
今日は 久々に休みだったので、アパートの部屋で ひとり
DVDを観たり うたた寝をしたりして過ごしております。
今日のおやつは‘わらび餅’。
無印良品で買ったガラスのカップにお茶を淹れて、同じ
カップに ほんのちょっと わらび餅を盛りつけて。
急須と、茶托代わりのコースターも、「夏になったら使おう」
と 無印良品で買ったもの。
常滑焼の急須は ふつう赤泥色なのだけれど、無印ではそれを
二度焼きして、黒い色にしているのだとか。
常滑焼の急須で淹れたお茶は なめらかな口当たりで大好き
なのだけれど、あの朱泥色が なんとも私の好みではなく、
今まで買うのをためらっていた。
それに対して、この黒い常滑焼の急須は、引き締まった感じで
見た瞬間に即決。
淹れたお茶は、やはりなめらかな口あたりで、久々の休日を
さらに ほっこりさせてくれる。
窓の外を濡らす雨は、乾いた心までしみ込んで、気持ちに
うるおいをくれる気がする。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 無印良品 》 5階
常滑焼の急須 2000円
耐熱ガラス カップ 300円
ケタック コースター 400円
2008年05月11日
【 今日は、母の日 -MINiPLA-】

5月7日より 母が入院している。
入院当日は仕事の合間を縫って東京から無理矢理
帰省した妹が付き添った。
私も無理矢理に仕事を切り上げて、母の病院に
駆けつけた。 当初、長くても入院は1ヶ月程度だと
聞いていたのに、看護師長さんに「入院は2ヶ月ぐらい」
と告げられ がっかりしていた母も、翌日には「上げ膳
据え膳っていいわねぇ」なんて言って笑っている。
父も仕事の後は 必ず母の病室に寄っているようで
電話をすると逐一 経過を報告してくれる。
私も可能な限り 病室に足を運んでいるから、母から
その日にあったことなどを聞いているのだけれど、
父の説明を さも初めて聞くことのように頷きながら聞く。
父も、一人になって寂しいのだ。
入院の前々日、飼い犬の注射のために動物病院へ
父と母と私の3人で出かけた。
その時に母がつけていた口紅の色があまりに綺麗で
母に似合っていたので訊くと、「あら 憶えてないの?
よるみちが 何年か前の母の日に くれたものよ」と。
そういえば、私は 母の日には口紅などの化粧品を、
誕生日には ケーキと、洋服などをプレゼントしていた。
それが ここのところは 化粧品以外の実用的なものを
贈るようになっていたんだっけ。
母は「自分で買うと似たような色ばっかり選ぶし、
無難にオバサンぽいものを買ってしまうから、また
いつか素敵なの買ってきて」と言っていた。
母は いわゆる高級ブランドの口紅のように香りの
きついものは好まない。
仕方ないし当然のことだけれど、年齢を重ねるとともに
肌のくすみが目立ってきている母。
ツヤのあるタイプの口紅で 顔の中心に光を置くと
華やかに見えるだけでなく くすみも目立たなくなる。
この条件を満たすものを、と 日本のメーカーの色々な
ラインを見てみたけれど、なかなかコレ というものが
見つからない。
よく口紅をプレゼントしていた あの頃よりは
自由になるお金も増えたから、ちょっと高価なものを
と思ったのだが。 ・・・・・・・・・・
数年前、母にプレゼントしたメイベリンは 物価高の今も
高校生が手に取るほどにリーズナブルだ。だから59歳の
母にはちょっと・・・と敬遠していたのだが、このあいだ
母がつけていて とても綺麗だったことを思い出し、また
メイベリンのコーナーへ。
試しに手の甲につけて光に当ててみたり もう片方の
手で陰を作ってみたりを繰り返し、選んだのは
“ウォーターシャイニーピュアダイアモンド”の2色。
きつめに見える色だけれど、きらきらの成分が
入っているから 発色は それほどきつくない。
変な見栄を張って「安いから」なんていう理由で この
口紅を却下するなんて もったいない。
この きらきらが、母の顔色を素敵に見せてくれるなら
値段が高くたって安くたって かまわない。
昨日、母の病室を 父と訪ねたときは、痛み止めの点滴の
管を右腕に刺したまま横になっていたが 私たちの顔を見ると、
とても嬉しそうな顔をした。その病院に勤めている父の知人が
良くしてくれて、検査も待ち時間が全くないこと等を明るい声で
話してくれていた。
入院生活は、気が滅入ることだってあるかもしれないけれど
母の持ち前の明るさで乗り切ってほしい。
そして退院したら また綺麗な色の口紅で 一緒に出かけようね。
初めて病院で迎える母の日。
2本の口紅を新緑色の袋で包んでもらって、今から私は
母のところに「ありがとう」を届けに行ってきます。
世界中の“お母さん”が、素敵な1日を過ごせますように。
皆が せめて今日だけは 素直に 照れずに「ありがとう」を
言えますように。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 MINiPLA 》 4階
メイベリン
ウォーターシャイニーピュアダイアモンド
804 シャンパーニュオレンジ 1260円
823 ヴィンテージレッド 1260円
2008年04月28日
【 両親の、結婚記念日 -FLO PRESTIGE-】
この4月、異動になったのは私だけでなく 弟も、である。
東京から仙台への異動。
3月末に「仙台に異動になった」と実家の母に連絡があって
それから待てど暮らせど 連絡がこない。
住宅手当の関係から、実家には戻らず ひとり暮らしを
継続するという旨の話をしていたというから、引越は
済んでいるんだろうけど どこで何しているんだろうねぇと
母は ずいぶん心配していた。 4月も下旬に入っていた。
そんなある日。
夜中に携帯電話が鳴った。 東京在住の妹から、である。
妹のところに弟から電話があって「背骨の中に腫瘍が見つかり、
4月28日にお母さんが入院するらしい」と言っていたというのだ。
私と妹は、母が 弟に会いたい一心で そう嘘をついたのだと
思って、笑いながら電話を切った。
「明日の朝、電話して、‘そんなに会いたいんだったら、
バレた時に後味が悪くないような、もう少しマシな嘘を
つくように’って言わなきゃね」と。
翌日の出勤時、車の中から電話をすると 父が出て、
「お母さんの入院の話、聞いたか?」と言う。
その時に初めて、それは嘘でも何でもなかったのだと
いうことを知った。
父は「心配いらない。気にせず きちんと仕事をしなさい。」と
電話を切った。 あまりに衝撃的な話だった。
職場に着くと、もう 動揺なんて していられなかった。
目の前に堆く積み上げられている仕事を 無心に 一つ一つ
片付けていくしか なかった。
昼前に ようやく一段落ついた時、携帯電話を掴んで 私は
車の中から電話をかけた。とにかく母と話をしなければと
思ったのだ。
数回のコール音の後、いつもどおりの母の声が聞こえた。
「ごめんねぇ、心配 要らないから。」
母の話によると、4月に入ってから 腰痛と下半身の痺れが
ひどくなり、普段飲んでいる血圧を下げる薬を貰いに病院に
行った時に相談してみると 念のため整形外科を受診したほうが
良いとアドバイスされ、紹介状を持って、父の知人がいる病院に
行ったのだそうだ。問診とレントゲンでは原因が見つからず
MRIで脊髄に腫瘍があることが判ったのだという。
腰痛と痺れは 腫瘍が神経を圧迫しているからだろう、と
言われたそうだ。
4月28日に検査入院するよう言われて予約をしてきたが
よく考えたらGWを控えており、どうせその間は、検査も治療も
できないだろうから、電話をして 入院の日を5月7日に
ずらしてもらったのよ、と淡々と母は話していた。
今日、4月28日は 父と母の結婚記念日である。
母が入院の日をずらした理由の中に それが含まれているのか
どうかは判らないけれど、娘としては、少なくとも、 新しく
綺麗とは とても言えない病院のベッドに括り付けられて
結婚記念日を迎えて欲しくは なかったから、これで良かったと思う。
GWの後、母は入院して、腫瘍が良性なのか悪性なのか調べ、
摘出手術を受ける。神経が集中しているところにある腫瘍だから
リスクも大きいらしいけれど、良い結果だけを信じて、母を
応援するつもりだ。
FLOで、タルトを買った。
父の誕生日に買ったのと、同じものだ。
母が「すごく美味しかったわぁ」と喜んでいたのを思い出して
選んだのである。
「祝」とピンクでプリントされたプレートに「結婚33周年」と
描いて貰って、そのまま実家の冷蔵庫に入れてきた。
今日は、父と母 2人で結婚記念日の夜を過ごしている。
どんな話をしているのか、或いは 何も話さず黙々と食事をし、
タルトを食べているのか。
「結婚33周年」の2人にとっても、その子らにとっても 大きな
試練の夜が始まる。明けない夜は ない、という言葉を胸に。
飛び石ではあるが、GWが始まった。
ずっと良いお天気が続き、行楽日和となるでしょう、と
愛らしい笑顔で天気予報を読み上げるアナウンサーに、つい
毒づきたくなる 春である。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 FLOプレステージュ 》1階
フレッシュフルーツカスタードタルト 1890円
2008年04月23日
【 チェリーブロッサムのオードトワレ -L’OCCITANE- 】
昨年の5月に発売されたREAL SIMPLE JAPANで、
フレグランスの特集記事が掲載された。
いろいろなテーマごとに部門を決めて、多くのフレグランスを
ランキングしていたのだが、そこで一番人気として挙げられていた
フレグランスが、L’OCCITANEの チェリーブロッサムのトワレ。
薄いピンクの液体がきれい。そう、桜、という名のとおりのピンク。
絶対に、欲しい。
仕事の合間を縫ってSELVAのL’OCCITANEに駆けつけ、
試しに手首の内側にシュッと吹きかけて香りの変化を確かめ、
SELVAの店内を一周して戻ったら、わずか1時間ほどのあいだに
それはすべて売り切れてしまっていて、相当 がっかりした。
1年後、今年こそ買うぞ!と思っていた矢先。
sharemonoさんが、お母様のお誕生日にプレゼントとして購入したという
記事をupされ、あああ! きっと大人気で売り切れてしまう!
読んだ人にも 良さがバレて(?) 買われてしまう! 今年も私は
買えないのか!と ショックを受け、さらなるショックを受けないようにと
できるだけL’OCCITANEの傍を通らないように、売り切れた様子を
見ないようにと暮らしてきた。
そして、泉区内の桜もそろそろ満開を通り越して葉桜になりそう、と
いう ある日。 ふと寄ってみたL’OCCITANEで、発見してしまった。
すごくすごく欲しかったチェリーブロッサムのオードトワレ。
昨年すごく大人気だったから、今年は いっぱい仕入れたのかな。
迷わず掴んで、支払を済ませて外にでる。
日中は暖かい日も多いけれど、夜は ひんやりとした空気が清々しい。
「ランチがてら、満開の桜を探しに行きませんか」
控えめなメールを携帯電話に受信してから すぐ 約束をするも、突然の
来客予約があったりして、なかなか実現できず、ようやく桜探しに
出かけたのは、泉区内のソメイヨシノが花散らしの雨に 殆どやられた
翌日の日曜日、久しぶりの休日、だった。
「どこか行きたいところは、ありますか」と訊かれても すぐには
思いつかなくて、中途半端に微笑んで やり過ごす。
美しい桜の見えそうなところを考えても、思い出すのは どこも
元・恋人との思い出がたくさんある場所ばかり。 そんなところに
新しい人間関係を持ち込むのは、元・恋人にも、今 ステアリングを
握っている彼にも 申し訳ない気がした。
着いたところは 前日までの雨をすべてかき集めたような、大量の水を
落としている秋保大滝。
車を停めて、急な階段を降りた後には 滝のしぶきを浴びて滑る岩場を歩く。
こんなところに来るはずじゃなかったのに、と おろしたてのパテントの
カッターシューズが悲鳴をあげる。舌打ちしたくなる気持ちを抑えて
慎重に歩いていくと、目の前を行く人が手を差し出す。一瞬 躊躇って
でも覚悟を決めて その手を取ると、ぎゅっと握り返された。
なんとなく違和感を憶えた 繋いだ手を離すタイミングを図りながら、
轟音を立てて落ちる滝を見ていると、なんとなく どうでもいいような
気になってくるから、不思議だ。 たかが、手、ぐらい・・・。
それでも、大きく前に一歩 踏み出すふりをして手を離すと 相手の体温で
変に温められた指先が ひんやりとした風にふれて 自由を感じる。
うんと遠回りをして、秋保から私のアパートの近くまで戻ってくる道すがら、
うっすらと霞む空に向かって 薄紅色をたたえる桜の木をずいぶん 見た。
もうそろそろ葉桜の時季かと、半分 あきらめていたのに、思ったより
たくさんの桜が見られて、少なからず ほっとする。
去年の今頃は、もっと盛りの桜を、大好きな人と眺めていたんだと、思い返す。
他人事だと思っていた短歌の世界が、ぐっと近づいていたことに気づく。
さくらさくら 去年誰かと見たさくら知らんぷりしてまた見るさくら
佐藤真由美
車を降りて手を振る私に 満開の笑みで応える この人と、私は また
会うことになるかもしれない。
会いたいとか、会いたくないとか、そういうことを考えるような
余裕もなく きっとまた 誘われるはずだ。
見えなくなるまで車を見送ってから、踵をかえしてアパートの階段へと
歩き始めると、ポケットの中の 携帯電話が 小刻みに震える。
「また食事に行きましょう。 帰ったら、電話します。」
ほら、ね。 私の想像どおりになったことが なんとなく可笑しい。
ふと見ると、はらはらと舞う桜吹雪。
散るという飛翔のかたち 花びらはふと微笑んで枝を離れる
俵万智
散ってゆく花びらは、「花が終わる」ということではなく、新しい世界への
飛翔なのだという短歌を ふと思い出す。
明日は、チェリーブロッサムのトワレを纏って仕事に行こう、と
機嫌良くドアを開けて部屋に入った。
新しい人の、新しい世界を 知る努力をするのも、悪くない。
まだ、新しい恋は できそうにないけれど。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 L’OCCITANE 》 2階
ロクシタン チェリーブロッサム 100mL 6300円
オードトワレ
横から見ると桜の形のレリーフが綺麗。
2008年04月13日
【 日灼け止めクリーム -ORBIS-】
それも夏だけでなく、1年じゅう。
母が自分で「色が黒い」というのを気にしていたせいだと
思う。私が客観的にみても母の肌色は普通だと思うのだが
無神経な父が、結婚当初「色黒だな」と言ったらしく、それを
ずっと気にしているのだと母は言う。
私が子どもの頃は、「日灼け」イコール「健康的」という
図式が常識だったから、子どもに日灼け止めを塗らせる母の
思想は、ずいぶん異端だったのでは ないだろうか。
でも、それから十数年後には オゾン層破壊などで 紫外線の
肌への悪影響が取り沙汰されるわけだから、ある意味
先見の明、かな。
ずっと白肌で暮らしてきた私だが、ふと 日灼け肌に
憧れるようになるのが、社会人1年目の夏。
ゴージャスに日灼けしたイタリアンマダムを雑誌で見て
その格好よさに、一目惚れ。
さっそく 日灼け止めを塗るのをやめて、ちょっと日灼けして
みては、可哀想なくらい肌を真っ赤に腫らしていた。
日灼け後の あの状態は、かなり痛くて横になることも
できないほど辛いというのに、喉元過ぎれば・・・という感じで
学習能力が欠落している私は これまで夏が来るたびに
日灼けにチャレンジしてきたのだ。
その結果、肌は乾燥気味になり、シミ予備軍が 肌の奥で
虎視眈々と オモテに出る瞬間を狙っている。
4月・5月は1年のうちでも 紫外線の量が ぐぐぐっと
多くなる時季。今年こそは、30代のオトナの女らしく、
ちゃんとUVケアをしよう、と 決めて日灼け止めを購入。
とりあえず 化粧下地にもなるもので、白浮きしにくく
乾燥を防ぎ 尚かつ お値段も可愛いもの、という条件で、
ORBISに辿りついた。
SPF34で、PA++。
クリーム状で、しっとりした仕上がりが期待できそう。
さらっとした仕上がりを希望する人には、ローション系も
あるので、そちらを どうぞ。
ORBISの化粧品は、数年前 友人に誘われて、通販で
買ったことがあるのだが、印象は いまいち。
可もなく不可もなし、というイメージだった。
簡易包装だとか 無香料だとか オイルフリーなんかを
謳っていて機能面では頑張っているけれど、なんとなく
容器のデザインが いまいち垢抜けないようなイメージ
(というか私の一方的な先入観)で、手に取ることも なかった。
でも、SELVAのORBISをのぞくと、当時より わりと
イメージが変わって、持ち歩いても「ダサっ!」と思われる
ような雰囲気は なくなった。
女子は、見た目も重視するっていうことをORBISも解って
ちょっと成長したのかもしれない。
そして、無謀な日灼けを避けようという私も、あの頃より
ずいぶん成長したものだなぁ。はぁ。(感慨深い 長いため息)
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《ORBIS》 2階
新サンスクリーン オンフェイス 945円
* 7月1日より通常価格の1008円になるとか。
2008年03月17日
【 スタバの朝ごはん -スターバックスコーヒー-】
ちょっとだけ早起きして、朝ごはんを自宅外で食べるのが
私の小さな贅沢のひとつ。
自分の家で食べたほうが時間の余裕はあるのだけれど、
ちょっと早く起きて いつものアクションにプラスアルファ
できているぞ という心の余裕が、贅沢に思えるのだ。
この日は、スタバにて朝食を。
新聞は家で読んできたし、1日の予定もしっかり頭に入れた。
新聞を読んだり手帳を見たりといったことなく ただひたすら
食べることと外の風景に目をやることだけに時間を費やせる。
贅沢この上ない。
窓際の、カウンターみたいになっている席は、テラス席や
その奥を行き交う人たちが見えて すごくお気に入りなのだが
ちょっと狭いのが難点。
カウンター風のテーブルの下に、荷物を置くスペースを
準備してくれるとありがたいのだが難しいのかな。
出勤前ということは、A4サイズの書類が入るバッグを持って
いるわけで、けっこう嵩張るから、自分が腰掛けた椅子の
背もたれと背中の間に置くと なんだか窮屈だし、ああいう
狭いお店では 後で来るお客さんのためにも 空いている椅子に
荷物を置くことは避けたい。だからといってテーブルの上には
置けないし(狭いから)、床の上に置くのは 防犯面で心配。
今日は ‘豆乳パンケーキ’と‘本日のコーヒー’を。
スタバのホームページで見ると、シロップとホイップバターが
ついてくるはずなのに、シロップしか貰えなかった。
スタッフの方が忘れてしまったのか 或いは 品切れだったのか
真相は わからないが。
ぼーっとしながら、いちおう贅沢な時間を過ごして出勤。
朝の この余裕のおかげか、失敗もなく おだやかに1日を
過ごすことができた。 今度はサンドイッチを食べたいな。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 スターバックスコーヒー 》 2階
本日のコーヒー 330円
*トールサイズ
豆乳パンケーキ 280円
2008年03月14日
【‘ やっぱりパンが好き ’ -八文字屋-】
『せんだいタウン情報』が『S-style』となって
だいぶスタイリッシュになった。もう その名も定着した頃か。
初めの頃は「ちょっと 頑張ってます感が痛い・・・」と
思っていたのだが、やっぱり新しいお店のことなどを
チェックするには手っ取り早い。
もともと私は あまり好き嫌いがないし、味の良し悪しも
あまり判らないのだが、パンに関しては 最近 (と言っても
ここ2~3年ぐらい)ちょっとだけうるさい。
お気に入りの店を見つけてからはパンに関しての選択肢は
スーパーでありきたりの食パンを買うか、コンビニエンスストで
間に合わせのサンドイッチを買うか、その お気に入りのお店で
大好きなパンを買うか、の3つのみ。
お気に入りのパン屋さんは、駐車場もないくらいに
うんと小さくひっそりと佇んでいるので、あまり他の人に
知られたくないという思いと、こんなに美味しいパン屋さんを
知っているのよ!とばかりに自慢したい気持ちとが混濁して
ちょっと複雑な気分。
今回の『S-style』はパン屋さんが特集されていると
いうことで、もし万が一 そのパン屋さんが載っていたら
どうしよう・・・という思いで立ち読みもせずに購入した。
ゆっくり熟読してページをめくっていったが、私の大好きな
パン屋さんは掲載されていなくて、ほっとする反面、ちょっと
寂しいような 複雑なファン心理。
ふつうのイギリスパン(いわゆる食パン)も、ベーグルも、
調理パン系も サンドイッチ類も めちゃめちゃ美味しくて、
大好きな このパン屋さん。
‘市場’という意味のフランス語が店名で、泉区内にあって、
駐車場はないので 地下鉄の某駅から10分少々 歩いて行かなきゃ
ならない。基本的に水曜日が定休だけど突然 ほかの曜日に
お休みになることも。 小さなお店で、早い時間に売り切れて
しまうので午前中に行かないと心配。
こうして書き連ねていくと けっこう不自由な環境にあることに
気づくけれど、それでも食べたいくらいの美味しいパン。
この 『S-style』、パンが大好きな人には ほんとうに保存版!と
いうくらい 市内のパン屋さんがたくさん載っているので、興味の
ある方は ぜひ読んでみてほしいと思う。 一人じゃなく 皆で
一緒に読んでみると「行ったことある!」とか「行ってみたい!」とか、
きっと盛り上がるはず。
だって皆 結局‘やっぱりパンが好き ’だものね。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 八文字屋 》 5階
S-style 350円
3月号
今月の特集は ‘やっぱりパンが好き!’
2008年03月13日
【 パワーストーンのピアス -ソラいろあくび-】
携帯電話の、わりと気に入っていたストラップが
ぶちっと切れた。
春らしい朝の日差しが心地よくて、しかも今日は
ゆっくり出勤してよい日でもあったので、機嫌良く
鼻歌なんか歌いながら 携帯電話を ぶんぶんと
振り回していたら、携帯電話が飛んでゆき、ごつん
という鈍い音の後に気づくと、私の手元には既に
ストラップしか残っていなかった。
PL法の関係で、携帯電話のストラップを購入すると、
無理な力が加わるとこわれる恐れがあるので止めてくれ
という内容の記述が必ず ある。
私はそれを無視したわけで、過失はどう考えても私にあり、
誰を責めることもできないわけだが、数年前に購入して
これに合う携帯電話を使うようになったら付けようと
楽しみにしていたため とても悲しい気持ちになった。
そして、悲しいだけでなく、引きちぎれたストラップを
眺めていたら、何だか不吉な出来事の前兆のような気が
してきた。その思考回路たるや ほんとうに勝手すぎて
失笑ものだけれど。
出勤前に寄った八文字屋で 立ち読みをしたあと、ふらりと
のぞいたソラいろあくびで、パワーストーンのピアスが
格安で売られているのを発見した。
1つ(1組)300円というのは、パワーストーンじゃなくたって
安い。安すぎるくらいだ。

向かって左側の うっすら緑がかった方は‘フローライト ’で
『集中力UP ストレス軽減』と パッケージに書いてある。
右側のピンク色のほうは‘ローズクォーツ’で『愛と美の
パワーUP』だそうだ。
引きちぎれたストラップのせいで生まれた不吉な予感も、
パワーストーンのエネルギーで何とかなればいいのに。
効果があるのかどうかはわからないけれど、女子は
こういうのわりと好きだったりするもの。
2つ買っても600円というのは、何かとモノ要りな
この時期には、嬉しいよね。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 ソラいろあくび 》 5階
フローライト ピアス 300円
ローズクォーツ ピアス 300円
* UMIさんの作品
**********************************

今日は春菊をミキサーでガーッと砕いて
スパゲッティと和えて、ジェノベーゼ風に
したものをブランチに。
青い匂いが心地よくて、美味しかった。
2008年03月12日
【 しあわせの言の葉 -八文字屋-】
先日、宮城県岩出山高等学校の歌集を見せて頂く機会があった。
「よるみちさん、こういうの好きでしょう?」と 知人が 同校から頂いて
持ってきてくれたのだ。
ピンクのような赤紫のような色の無地の表紙に、『岩高短歌』と
銘打ってあったように記憶している。
先日 卒業した3年生を含む 全校生徒と教職員が、1年間かけて
詠んだ短歌がびっしり載っていた。
きちんと製本され、載っている短歌の秀逸さもあって、そのまま
書店で販売しても構わないくらいのクォリティの高さ。
4月から 毎月「お題」を決めて 全校生徒が詠んだ短歌は
きっと膨大な数だったろうと予想され、それを一首 一首 丁寧に
根気強く指導された先生方の熱意や愛情を思うと 頭が下がる。
しかし それ以上に、高校生のもつ みずみずしい感性には、
嫉妬さえ覚えてしまったほどで、時間がない時だったので
斜め読みしようと思ったのに、一首 一首、ひとこと ひとことが
心地よい刺激をくれて、涙が溢れそうになった。。
その みずみずしい感性は、彼らが今まさに いきいきと生きて
いるからこそ なのだろう。
いきいきと生きている人の発する言葉は、短歌に限らず 人の胸に
しっかりと刻み込まれ、その胸で しっかりと生きて 作用するのだと
私は思う。
時間の上にわれわれはすべて平等 住井すゑ

『しあわせの言の葉』で、著者 山下景子氏は 多くの先人の名言を挙げている。
そう、時間という概念のなか、私たちは皆 平等で、みずみずしい感性をもつ
高校生と、仕事や生き方に悩む31歳の私は、今 ここで同じ時代、同じ1日、
同じ1時間、同じ1分、同じ1秒を
生きている。
その感じ方や 生かし方は心の持ちようによって異なるわけで、私と同じ年齢であっても もっと年齢が上であっても
きっと 高校生のようにみずみずしい
感性を持っていきいきと生きている人はいるのだ。
春、植物が芽吹き 動物も目を覚ます季節が やって来た。
もういちど、自分の毎日を振り返って、4月からの毎日が
いきいきと生きる新年度でありたいと思う。
そして その準備を丁寧に しっかりと行いたいと思う。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 八文字屋 》5階
しあわせの言の葉 1260円
山下景子・著
2008年03月03日
【 ウメ・ヴェール -LUPICIA-】

春の花といったら たくさんあるけれど、果実とともに
楽しめるのは、梅・桃・桜。
「白桃烏龍 極品」「SAKURAタンブラー」と来て
今回は「UME VERT」。
ルピシアのフレーバード ティー。 梅の香りが漂う緑茶。
これは、「白桃烏龍 極品」を買ったときに、試飲させて
頂いて、よし次こそは!と心に決めていたもの。
その名の通り、‘ロッテの梅ガムそっくりな香り’の
ヴェールが ふんわりと包んでくれる。
母は、私が幼い頃 よく梅ガムを食べていた。
「ちょうだい」と手を出すと、「虫歯になるから、だめ」
と言って ガムをどこかに隠すのだけれど、機嫌が良い時
だったのか、ちょっとした気まぐれだったのか、何度も
懇願する娘が愛らしく見えたのか或いは可哀想に見えたのか
未だに判らないが、半分 ちぎって くれることがあった。
「噛んだら、紙に出すのよ」と言う母だが、噛み終わった
梅ガムを口から出すところは見たことがない。
そのまま飲み込んでいたのか、それとも慎ましくひっそりと
紙に包んで捨てていたのか。
いずれにせよ、母がガムを捨てるところを見たことが
ないので、私は そのガムを飲み込んでいた。
否、梅ガムに関しては、なぜだか 今も、噛んでいるうちに
口の中で溶けてなくなってしまうのだ。
だから、私は今も 口から梅ガムを出したことは ない。
友達に話すと 「お腹こわすよ」と心配されるけれど。
学生の頃、暑い盛りに 水戸の偕楽園に電車で行ったことがある。
「青春18きっぷを貰ったから、どこかに行こうよ」と
夏休み、当時の彼氏に誘われて、「どこに行ったら良いか
わからないけど、とにかく南下してみよう」と答えたら
着いたのは偕楽園だった。
当然 梅の花は散り、ひたすら暑い陽射しに灼かれながら
偕楽園を歩いた。「今度は、ちゃんと梅の季節に来ようね」と
指切りをしたのに、約束は反故になったまま、私と彼は
別々の人生を歩んでいる。
偕楽園に行くこと以外にも、ずいぶん たくさんの約束を
したのに、守れなかったことのほうが多い。
私の一方的な我が儘でさようならをすることになった時
「あの時の約束は嘘だったのか?約束は 守るためにするんじゃ
ないのか?」と、つきあい始めの頃に言った「結婚しようね」を
引き合いに出した彼に、「約束は守るためにあるんじゃなくて、
その時 その瞬間の絆を確認したくて するものなの。」と
言い放った自分の傲慢な言葉を、もし できるなら あの頃に
戻って消しゴムで消してしまいたい。
そして、「約束を守れなくてごめんなさい」に換えてしまいたい。
甘酸っぱい梅の香りは、時々なんだかとてもせつなくなる。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 LUPICIA 》 1階
UME VERT 810円
50g 缶入り

今日は桃の節句。
ちらし寿司や雛あられで雛祭りを
楽しみたかったのですが、
諸般の事情により断念。(仕事が・・・)
でも春の気分だけは味わいたくて、
菜の花のクリームスパゲッティを。
子どもの頃は美味しいとか不味いとか感じることもなかった菜の花ですが、
大人になった今は春の香だけで舌鼓。
吐息をもういちど吸い直して味わいたくなるほどの良い香。
コーンの黄色が菜の花やミモザの花っぽくて、春になると多用しています。
2008年03月02日
【 SAKURAタンブラー -スターバックスコーヒー- 】
いよいよ SAKURAタンブラーの季節がやって来た。
春が待ち遠しくなる ちょうどこの頃に毎年 発売される
SAKURAタンブラー。
今年は、予め2週間も前にスタバのホームページで
調べておいて、昨日(3月1日)が発売日だということを
知っていたので、発売日に 即 購入。
昨年は夜明けの桜がモチーフだったが、今年のデザインは
爽やかでクリアな感じ。
スタバのホームページによると、桜の花びらが舞い散り、
水の上に漂うようなデザインで「透明感」や「春らしい
やさしい色合い」 (スタバHPより) を 表現したのだとか。
ピンクの蓋・うっすら桜色のクリアなデザインに 桜が
舞うタンブラーは、スタバらしくなく 一見ラブリー!
でも、よく見ると桜のモチーフには英字プリントがあったり
ちょっとビターな雰囲気もあって、なるほどスタバ!
ピンクがかったそれが ずらっと並ぶ棚は、ほんとうに
そこだけ春爛漫といった風情。
もともと自分用に買うことを決めて行ったのだけれど
あまりの可愛さに、職場の女の子にもヴァレンタイン・
チョコレートのお返しとしても購入。
ホワイトデイにはちょっと気が早いけれど、きっと
喜んでくれるはず。
昨年度の3月。
職場に たくさん届いた花を見て(3月・4月は私の職場には
花がたくさん届く) 、 私が 「 いちばん好きな花は
チューリップ」と言ったら、尊敬している上司が 「 俺は
桜だなぁ。儚さと可憐さが隣り合わせでさ。日本人の
ココロこれにありって感じだろう 」 と答えた。
もちろん、私だって桜は大好きだ が、ブーケにして欲しい
花という前提でチューリップと言ったのだ。
なんだか口惜しくなって、「桜も いちばん好きな花なの!」
と声高らかに宣言したのを覚えている。
何ということはない、ささいな日常の一コマ。
結局 異動で その上司も私も今は別の場所で働いている。
大きく花の写真を載せ、正月にちなんだ俳句か短歌を添える
という年賀状を毎年 デザインして送っているのだが、
今年は種田山頭火の 「 一りん咲けばまた一りんのお正月 」 と
いう俳句を添えた。
彼からは 「 よっ!野に咲く一輪の花よるみち ちゃん。また一緒に
働ける日まで大きく成長して 大輪の花を咲かせているように!」
というコメントの年賀状が届いた。
ガサツを装っているのに、繊細さや心配りが一流で、
天才肌の、粋な上司だった。
「冷たいものでも食いたいなぁ。夏らしいアイスキャンディー
全員分 買ってこい!」
と、ポンと投げた財布を うまくキャッチして あけてみたら
100万円の現金が入っているような豪傑な人だった。
言葉の使い方ひとつ取っても、「おめぇ こんな書き方したら
傷つくヤツがいるだろうよ。俺ぁ、傷つくね、きっと」
「10000人に ‘良い文章だ ’ って思われたって、傷つく人が
1人でも いるんだったら、それぁ意味がねぇんだ」 ・・・・・
ガサツのベールに包んで きっちりと教えてくれる人だった。
年度末の お別れの時に、たくさん受け取った花束から
可愛い小さな花を1輪 取り出して、髪に挿してみせる
おちゃめな50代。「今生の別れってわけじゃねぇんだ。泣くな。
また いつか一緒に働けるさ。まぁ、そん時は、おまえの方が
偉くなっちゃって、そんでもって 俺が顎で使われたりしてな。(笑)」
もしかしたら、4月から 初挑戦のポジションを得るかも
しれない私の不安を、記憶のなかで 励ましてくれる存在。
もし私が「すごく不安です」なんて言おうものなら、きっと
大声で笑い飛ばした後に、肩をぽんと叩いてくれるだろう。
でも、大きな花を咲かせるために、一人で頑張らなきゃ
いけない時が、ある。 たぶんそれが、今。
何とか頑張って、桜の咲く頃に、手紙でも書いて報告しようかと
思っている。「私は元気です」って。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《スターバックスコーヒー》 2階
SAKURA2008タンブラー 1350円
12oz (350ml)
2008年02月29日
【 バンビちゃんの瞳 -FLOプレステージュ- 】
父の誕生日に、FLOのタルトをホールで購入。
明らかに‘新人’な女の子が一生懸命に対応してくれて
心の中で頑張れ頑張れって何度も念を送ってしまった。
その‘新人’ちゃん、黒目がちな瞳でバンビのよう。
緊張しているのか、間が持たないのか、何度も何度も
「ロウソクは お付けしますか?プレートは どうしますか?」
と訊いてくれる。だから私も初めての質問に答えるように
「ロウソクは要りません。プレートだけ、お願いします。」
「ハッピーバースデイとプリントされているプレートに、
“お父さん”と書いてください。」
と何度も答えた。
セルバポイントのお買い物券を一部 充当して支払をしたのだが、
先輩らしき人に小声で「どうしたら良いですか?」と訊いている
真剣な目が、何とも清々しくて、自分が社会人になりたての時の
ことを思い出した。とにかく必死で、先輩に教えられることを
覚えようと一生懸命だった。
社会人になって まる8年目になる今年。
仕事は変わったが、今も、一生懸命に働いては いる。
でも、あの頃みたいな、あのバンビちゃんみたいな必死さは
もう どこかに置いてきてしまったかもしれない。
以前 ちらっと書いたけれど、仕事で女川勤務の話を頂き
とっても大きなチャンスだと思ったので、自分のなかで
あたためて 上司に相談した。 ちょうど1週間前のこと。
いろいろなことを考えて、環境を変えて 心機一転、大きく
自分を成長させるには良い機会だと思っていたので、
上司からも「頑張れよ」とGOサインを頂けると信じて
いたのだが、どうも そういうわけには いかなかった。
環境を変えて心機一転したいという私の意思を汲み取って
くださるつもりなのか、4月以降は、ほんのすこし
ポジションを上げて 違うオフィスで働くという提案を受けた。
まだ内々示の段階で、辞令を実際に受け取るまで“異動確定”
ではないが、不安な気持ちでいっぱいだ。
年度末、大幅なリストラを敢行するという私の職場では
噂に聞くだけで数十人が退職を“希望”せざるを得ない状況に
追い込まれているらしいから、働く場があるというだけで
有り難いことなのかもしれないのだが。
年齢を重ねて、要求されることも少しずつ変わってきて、
仕事への見方も取り組み方も変化するのは、当たり前のこと。
でも、ちょっとぐらいは変わらない部分があっても良いのかも
しれない。せめて 一生懸命なだけじゃなく“必死”に働く姿勢を
持ち続けるくらいのことは、しなきゃいけないのかもしれない。
環境を変えたいとか言う前に、自分の現状をよく見つめて、
自分自身を磨く努力をしておくべきだったなと、反省。
そして、そう反省するときに よぎったのは、あの‘バンビちゃん’
の瞳。要領よく働くことや、短時間で多くの仕事を片付けること
ばかりに気を取られて、私が失ってしまったのは、あの瞳だ。
父も母も、FLOのタルトに大喜び。
あぁ良かったと、心から思った。
父も母も、女川行きの話が消えてしまったことは残念がっていた
けれど、「考え方を変えれば、これもチャンスの一つ」と
励ましてくれる。
帰りにもう一度、FLOで同じタルトを購入。
サクッとしたタルト生地、ふんわり甘いカスタードクリーム。
でも、それだけでは美味しいタルトには ならない。
フルーツの酸味が ほどよく効いて、ぱくぱく食べたくなる
タルトになるのだ。
今回の異動は、いわば“酸味”みたいなものかな。
バンビちゃんは、今 この瞬間も、黒目がちな瞳をきらきらさせて
働いているんだろうか。
あんなに真剣に必死に頑張っているのだから、私が次にタルトを
買いに行く時には、もうすっかり仕事を覚えてしまっているに
違いない。
てきぱき動く ‘バンビちゃん’を楽しみに、こんどは、大好きな苺が
びっしり載っかったタルトを買いに行こうと、思う。
新年度のおやつに、職場の皆で食べられるように。
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《FLOプレステージュ》1階
フレッシュフルーツカスタードタルト 1890円
※ホール
2008年02月21日
【 ソニアのショッピングマニュアル -八文字屋-】
*「本やタウン」で注文して、八文字屋で受け取った
この2冊の本。
眠る前にベッドに入って少しずつ じっくり読んで
いたのだが、仕事のことがどうも気になって、
なかなか寝付けない日が続き、とうとう読み終わって
しまった。 ほんとうは2ヶ月くらいかけて ゆっくり
読むつもりだったのだが。
『ソニアのショッピングマニュアル1新装版』

『ソニアのショッピングマニュアル2』

スタイリストのソニア・パーク氏が 気に入っている
多くのものを写真と文章で紹介している この本は
お買い物大好き!な人なら きっと楽しめるはず。
もちろん、私も ぐいぐい引き込まれるように読んで、
ますます お買い物をしたくなった。
お買い物熱への、影響は大。
でも、それよりもっと大きな影響が及ぼされたのは
‘もの’への愛情についての再確認、かな。
そもそも私は、物欲が強いほうだと思うのだけれど
物欲のベクトルは、その‘もの’の持つ背景や
出来上がるまでのストーリーや、購入に至るまでの
思い出の方を向いているのだ。
これまでも記事にしてきた「アラジンのストーブ」
「アラジンの魔法瓶」「DANSKのマグ」、
「織部の黄うず巻き」や「紺色のミトン」や
「無印のニットのバッグ」「ビタミングリーンの箸」
「SAKURAのタンブラー」・・・
どれもこれも、愛すべきストーリーや思い出を
いっぱい抱えた‘もの’達。
ただただ浪費するようにして‘もの’を買い漁って
いるわけでは ないつもり。
そういう点で、筆者(ソニア・パーク氏)に共感できて
それが このblogへのモチベーションに繋がっている。
この本を読んで、よし これからも ちょっとずつ
ゆっくりでもいいから‘もの’にまつわるストーリーを
丁寧に書いていけたらと思った。
そして そういう‘もの’への強い思いが 形を変えて
仕事にも、日々の生活にも活きてくれれば。
明日から、職場で 上司からのヒアリングが始まる。
上司から内線で小会議室に招ばれて、これまでの
仕事についての評価を直接 聞くのだ。
すごく緊張する。
女川行きの話も、そこで じっくりと相談するつもり。
※下線の引いてある語句をクリックすると関連する記事に
ジャンプします。
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《 八文字屋 》 5階
ソニアのショッピングマニュアル1 1800円
新装版
ソニアのショッピングマニュアル2 1800円
*「本やタウン」は、ネットで注文して 店頭で
受け取れるタイプのサイト。
サイト上で注文して宅配してくれるタイプの
書店もあるが、SELVAで受け取ればポイントも
貯まるので、お得な気がする♪
2008年02月14日
【 頭を使うヴァレンタイン・デイ 】
今日はヴァレンタイン・デイ。
私も、いくつかチョコレートを頂戴した。
そのなかに『クゥ・プリュ』のものがあって、
おお!SELVA!と感動しちゃったので、記念に
写真を。
甘い甘~いヴァレンタイン・デイを過ごしている人も
いるのだろうとは思うが、外は めちゃめちゃ強い風。
ニュースでは「ヴァレンタイン寒波」なんて呼んでいて
苦笑してしまった。 ヴァレンタイン・デイの寄付みたい。
寒いとは言っても、もう2月も半ばで そろそろ新年度を
控えているということもあって、異動の内々示やら内示やらを
どきどきしながら待つ人も多いのではないだろうか。
証券会社勤務時代は、毎月のように誰かが異動で
出て行ったり入って来たりという感じだったから
ある程度‘慣れ’が生じ、異動という言葉にもそれほど
反応しなかったのだけれど、最近は新年度を控えると
ちょっと そわそわ 落ち着かなくなる。
実は私、住所が「泉市」「泉区」以外になったことがない。
いずれ引っ越したりすることもあるのだろうが、それが
いつのことになるのか皆目 見当もつかないし、また、その
‘いずれ’が 現実味を帯びない。もしかしたら心のどこかで、
ずっと泉区に住み続けるような感覚を持っているのかもしれない。
ところが、今日「新年度は女川へ いらっしゃい」という
お誘いを頂いた。
宮城県民歴30年の私だが、名取から仙台・富谷・多賀城・利府・
塩釜・七ヶ浜ぐらいしか位置関係が掴めず、夏に 釣りをしに
行ったことはあるが どの辺りにある地域なのか判らない。
手っ取り早く ネットの地図で確認したら「牡鹿郡」ということだけ
判った。 お返事は保留ということにしているので とりあえず、
母に「女川って、車で何分くらいなのかなぁ」と電話してみたら
「通うのはキツイでしょう。引っ越したら?」なんて言われて
しまった。そうか、そんなに遠いのかと そこで初めて気づく
あたり、どれだけ地理に疎いか お解り頂けるはず。
母は「心機一転、引越をして新しい環境で一から勉強してみたら」
なんて何だか嬉しそうだ。その後 「お父さんにも話したんだけど
良いお話だなぁって嬉しそうよ」と電話がかかってきた。
同僚に「女川行きの話があるんだけど」と こっそり言ったら
「やめた方がいいよ。距離的にも ずいぶん遠いし。ブライダルの
方は どうするの?」と。
確かに、乗りかかった舟というか、手を着け始めたブライダルの
仕事を放り出して行くのも どうかという気がする。
でも、せっかくのお誘いだし・・・・・
しばらく悩んでみようかなと思っている。
何とも頭を使うヴァレンタイン・デイだ。
でも、チョコレートは脳の栄養になるらしいから チョコを
つまみながら じっくり自分に向き合って考えてみようと思う。
2008年02月11日
【 炊飯器で作る しっとりチョコケーキ 】
「すみません よるみちさん。三連休、オーブン貸してください」
今まで、お金を貸してとか傘を貸してとか本を貸してとか 何かを
貸して欲しいと頼まれたことは多々あったけれど、オーブンを
貸してと頼まれたのは初めて。
4月に仙台に出てきた職場の女の子(24歳)。
ヴァレンタイン・デイが「勝負」らしい。
すっごく美味しいチョコレートで、彼のハートをがっちり掴み、
‘友達’から‘彼女’に昇格したいのだとか。
ひとり暮らしは お金がかかる。
欲しいものを優先順位順に揃えてきたけれど、オーブンは すっかり
後まわしになってしまったのだと言う。いやぁ それにしても・・・・・。
オーブンは重いから、家から持ち出してハイどうぞというわけにも
いくまい。 でも、三連休のうち2日間は予定が入っているから
家に呼んでキッチンを貸すというのも ちょっと。 考えたあげく
チョコレートだったら 湯煎で溶かすわけだからオーブンは要らない
でしょうと言うと「ガトーショコラを作るんです。チョコレートを
溶かして固めるだけなんて、今どき高校生だって しませんよ」なんて、
根拠のないことを言って口を尖らせる。
ちょっと生意気な若い彼女の恋に、何とか手助けをしてあげたいけれど
どうしたものかしら。
そこで提案したのが、「炊飯器で作るチョコレートケーキ」。
炊飯器で作るお菓子やお料理が話題になったころ、見よう見まねで
よく作ったものだ。
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●材料● ※3合炊きの炊飯器用
ホットケーキミックス 100g
ココアパウダー 50g
生クリーム 50cc
砂糖 25g
無塩バター 40g
卵 2個
板チョコ 1枚
粉砂糖 適宜
●作り方●
① 板チョコを手でパキパキ砕き、無塩バターとともに
耐熱容器に入れて電子レンジで溶かす。
溶けたら よく混ぜる。
② ボールに卵と砂糖を入れて、かるく泡立つ程度に
混ぜる。
③ ②の中に①を入れて全体をよく混ぜる。
よく混ざったら、ホットケーキミックスと
ココアパウダーを 入れて、だまがなくなるまで
混ぜ、生地を作る。
④ 炊飯器の内釜に分量外のバターかサラダオイルを塗り
生地を入れる。 トントンとテーブルの上などに 内釜を
軽く落とすようにして余分な空気を抜き、 炊飯器に入れて
炊飯のスイッチを押す。
⑤ 通常の炊飯と同じようにしてみて出来上がり(炊き上がり)の
状態になったら、蓋をあけて竹串をさしてみる。
このときに、生地が くっついてくるようなら再度 炊飯の
スイッチを入れる。中に火が通るまで何度も繰り返す。
⑥ 中に火が通ったら、内釜を皿の上などで逆さまにして
取り出す。粗熱がとれたら粉砂糖をふりかけるなどして
できあがり。
← 中まで火が通った状態。
これに粉砂糖をさらさらっとかける。
ふちが少し高くなっているので、
これをフレームのように いかして
デザインするとgood★
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久しぶりに自分でも作ってみたが、火が通るまでスイッチを4回も
入れた。実は昨年秋口に 炊飯器が壊れて、買い換えたので 以前の
炊飯器とは だいぶ使い勝手が違っていた。
この分量で、以前の炊飯器なら1回で ばっちり!だったのだが。
ちなみに、生クリームの代わりに牛乳を入れると、さっくりした
感じになるようだ。
このレシピを三連休前に紙に書いて渡すと、「え~ 超カンタンですね」
と 笑っていた。「明日 作ってみて、どんな感じかメールしますね」と
ひらひら 手を降って別れたのだが、昨日になってもメールがこない。
どうしたかなぁと思って携帯電話でメールを送ったら、「すみません。
土曜日からインフルエンザに罹ってしまって寝ています。」と返信が!
宮城県内でも流行っているとはニュースで知っていたが、こんなに
タイミングよく罹患するとは。
「おだいじに」 と 返信すると、「食欲がないし何も作れないので、
材料用に買っていたチョコレートで食いつないでます」と。
まぁ、これで良かったのだろう。
皆様も、風邪やインフルエンザには どうぞ お気をつけください。
okaimonoさんのご主人は、大丈夫かしら。
2008年02月06日
【 白桃烏龍 極品 -LUPICIA-】
働いていると、色んなことがある。
嬉しいことや楽しいことばかりでは ない。
嬉しいことや楽しいことと、そうでないことを較べたら
嬉しくないことや楽しくないことのほうが多いかもしれない。
特に、最近は年度末ということもあって 仕事で‘楽しい’と
感じることは皆無だったり。
私が就いている職種は 男女 問わず活躍の機会があって、
女性だから とか 男性だからということでお給料や昇進に
差がつくということは ない。
ただ、やはり女が定年まで働くには やっぱり ある程度の
犠牲は覚悟しなければならないのが、今の日本の社会。
そして、働いていると一度は セルフプロデュースについて
考えるのでは ないだろうか。
※ もちろん、同じことが男性にもあるのかもしれないけれど、
私は解らないから ここでは自分(=女性)のこととして書く。
たとえば、卒業後 就職して すぐの、二十歳代の頃は それほど
頑張らなくても周りが何とかしてくれたり、若いとか可愛いとか
言われて ちやほやされる。可愛いキャラ、温和なキャラでいれば
敵を作らずに済む。
でも、だんだん年齢を重ねていくうちに そのポジションは
新しく入ってきた女の子に持って行かれ、やらなければならない
仕事も増えるし、当然のこととして 期待される仕事のレベルも
上がる。だから それに合わせて努力するうちに 仕事を覚えていく。
そして若くて可愛い まだ仕事に慣れない女の子達のフォローに
回ったりしているうちに問題点に気づくことも多くなり、ちょっと
やんわり指摘しようと思っても、相手にどう受け取られるか に
思いを廻らして、神経をすり減らす。
ちょっと きついことを言ったりすると、‘可愛い女の子’は えーん と
泣き出したり、男性に「先輩にいじめられました」的に言ったりして、
こちらの本意が伝わらず歯がゆい思いをするのだ。
その結果 問題点は解決しないまま、「可愛い女の子をいびる
意地悪なおツボネ」としての自分が出来上がっていく。
そういう過程を経ていくうちに、極端に言うと 「 従来の女性像
そのままの温和で控えめなポジション」に 自分を置くべきなのか、
「男性っぽくバリバリと仕事をこなしていくポジション」に自分を
置くべきなのか 選択に悩むのだ。
昨年は、私自身 そういうことにちょっと悩んだ時期でもあった。
昨年の職場では私が一番下で、先輩方に教えて頂くことばかり
だったが、社会的にいうと30歳という年齢は、もっと 自分が
イニシアチブを執り、もっとバリバリと道を切り拓いていくべき
時期のように思えて、職場で可愛がられキャラを演じる自分が、
嫌だったのだ。
職場の雰囲気のためにと 先輩方(おもに男性)気を遣って
お茶を淹れたり お菓子を出したり笑顔を振りまいたりするよりも、
もっとアグレッシヴに仕事をしたいのに。
もっともっと 前に出たいのに。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
そんな時、隣の席の女性上司が 私が何かに悩んでいることに
気づいて 時おり 仕事での体験談や女性としての生き方についての
考えなどを話してくれた。
彼女は、もうそろそろ50歳に手が届くというところ。
いつも おしゃれな上質のスーツにニットやブラウスを合わせていた。
ジャケットを着ているのに シャープな感じではなく、あたたかく
やわらかい女性という印象。それなのに仕事ができて、いわゆる
女性らしい気配りも できる人だった。
眉間に皺を寄せて必死になって考えている私に、「実は北海道の
お土産のチョコレートがあるのよ」 とか 「ちょっと お茶を点てるから、
ひと息入れない?」 などと よく 声をかけてくれた。












