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2007年12月26日:“本”のこと
【 クリスマス終了。 -八文字屋-】
昨日でクリスマスも終わり。
今日からは年末年始に向けての日常が始まる。
冒頭で、「昨日で」と書いたのは、クリスマスまでの
1ヶ月間は、まさに街中が‘プレ・クリスマス’という
感じだからである。
今年は、生まれて初めて「ひとりきりのクリスマス」を
経験した。実家にいたときは、家族が一緒に いたし、
実家を出てからは 常に その時の彼氏が一緒だった。
クリスマス前の喧噪が大好きだったし、その日を一人で
過ごす人が この世に大勢 存在するということすら、
想像できないくらい、おめでたい人間だった。
恋人のいない友人たちは 男女ともに異口同音に言う。
「クリスマスだからって、誰かと一緒に過ごさなきゃ
いけないっていう法はないし、一人でも、二人でも、
何も変わらないよ」
・・・確かに、そうなんだけど。
クリスマスは、誰かと一緒に過ごすものだと思い込んで
生きてきたから、どうにも引っかかった 今年のクリスマス。
特に今年は、22日が土曜日、23日が日曜日、24日は
天皇誕生日の振休で休日だったから、世間の浮かれぶりが
刺すように、寂しい身に凍みた。
ちなみに、私は22日はブライダルのお仕事。
23日には一人きりで過ごす初めてのクリスマスを迎える私を
ひどく心配した妹が東京から帰省したので一緒にランチを食べて
夜は実家で食事。
24日のイヴは山の上(丘の上?)の邸宅を借り切っての
クリスマスパーティーを 司会として仕切った。
昼と夜、2回に分けて行われたパーティーは、会費が4万円、
必ずカップル(恋人同士でも夫婦でも可)で参加が条件。
ウェルカムドリンクから始まり、イタリアンとフレンチを融合したような
フルコースのお料理。 略式ではなく、メインに魚と肉の料理が
両方出て、デザートのスウィーツもお皿が2度 出てくるような、
ちゃんとしたものだった。(皆 お腹いっぱいで完食していなかったが)
サックスの生演奏を聞きながらの食事のあとは聖歌隊の歌と、
ハンドベルのコンサート。
ゲームの景品だって、最低単価が2万円!
とんでもなくゴージャスなパーティーだったのだが、昼・夜 合わせて
120組くらいが参加しただろうか。
仕事とは言っても、ドレスアップした幸せそうな二人組を
何組も前にすると、笑顔の仮面の下には惨めさが張りつく。
仕事の後は、近所のスーパーに寄ってお総菜を買い込み、
22時半過ぎに帰宅すると文字通りベッドに転がり込んだ。
疲れきっていて、買ってきたものを口にする余裕すらなかった。
思えば その日は朝 プリンを1つ食べただけで、あとは水しか
飲んでいない。
そして、昨日。 クリスマス当日。
昨日から、私は早めの冬休みだ。
今年は ほとんど休みなく働いたので、これくらい早めに休むのも
OKだろうと思っている。
世間ではクリスマス一色だろうと思ったし、疲れが残っていたから
1日じゅうベッドで過ごした。
ベッドで横になったまま 本を読んで、ベッドで横になったまま
電話に出て、メールを返信した。 このうえない贅沢。
昨日 読んだ本は、これ。


昨年 単行本が発売された時に 雑誌の書評を読んで、ぜひ読みたい!
と思って、単行本を買っていたのだが、読む時間がとれず、たまたま
入ったカフェに置き忘れてしまって、そのままになっていた。
ふらりと立ち寄った八文字屋で、平積みされていた この文庫本の
「20周年記念特別定価500円(税込)」の文字を見た時、
まだ読んでもいないのに置き忘れた単行本の値段が頭をよぎった。
上下2冊合わせて買っても1000円!
値段につられて即買い、だった。
もともと読書は好きだが、それが映像化されるとなると、とたんに
興味が失せる。
文字そのものや行間から溢れ出る魅力が、映像になった瞬間に
音を立ててしぼんでいくのが わかる。
読書好きな人なら、おそらく誰でも そうだろう。
『SAYURI』も、『博士の愛した数式』も、そうだった。
でも、きっとこの作品は、おそらく映像化されたほうが 一般の
人にはウケるんだろうな、というものだった。病院を舞台にした
『白い巨塔』『医龍』が、好視聴率をマークしたように。
もちろん、この『チーム・バチスタ』は、小説として読んでも
充分におもしろかったが。
本についていたオビには「2008年2月9日(土)全国東宝系公開」
と、映画化について 載っていた。 機会があったら、観に行こうか。
そういえば、忙しさがピークに達する直前、麻酔科医の彼と、
改めて仕切り直して、二人で食事をした。
その時に聞いた仕事の様子が、あまりにも この小説の
麻酔科医、氷室貢一郎が上巻で言ったことと 同じだったので、驚いた。
いくつも手術を掛け持ちしたり、当直のあと そのまま勤務だったり。
産婦人科医が減少して、分娩できる施設が激減しているという
ニュースは、よく聞くし、現に母が私を出産した‘仙台社会保険病院’では
産婦人科は開設されているが 今は もう 分娩は扱っていないらしい。
背景には、時間をコントロールすることのできない分娩のために、
確保できる医師がいないことがあるらしい。
一人・二人 そういった医師がいたとしても、その医師に おんぶに抱っこでは
医師自身が破綻してしまう。医師である前に、人としての労働環境を
確保することが困難なのであれば、それも致し方ない。
患者(医療を受ける側)の視点に立てば「そんなこと言わないで何とかして!」
と言いたくなるのだが、医師も労働力であることを考えると、人の命を
助けるために、自分の命を削ることになってしまうというのでは、あまりにも
皮肉である。
都市部と地方との医療サービス格差が よく 問題になるが、こういうことを
すべてクリアにしなければ、何も解決には至らないのだろう。
医師だって、聖人では ない。
人の命を助けることが仕事だからといって、100% 自分の生活を犠牲にしろと
いう権利は、患者である私たちには、ないのだから。
減少しているのは産婦人科医だけでなく、麻酔科医や優秀な外科医も
慢性的な不足傾向にあると、新聞で読んだ。
もちろん、首都圏は その限りでもないようだが。
この作品、医療用語ばかりで初めは戸惑うかもしれないが、
読み進めていくと、組織の光と闇、ヒトの光と闇が うまく
描かれていて、下巻の最後のページを読み終えると かすかに
爽快感が漂う。 医者も*働きマン、そして結局のところ
‘ ヒト’なのだと、共感さえ覚える。
崇高ささえ漂う桐生(登場人物の外科医)でさえも、悩み、
苦しみもがく*働きマンだ。
これを読み終えた後には、クリスマス・イヴに カップルを前に笑顔で
居続けることなんて、普段の仕事に較べれば、全然 たいしたこと
なかったじゃないかとさえ思えるから、不思議だ。
これぞ、作品の力なのだろう。
本を1冊(今回は2冊だが)読み終え、活字が全身に行き渡ると、
次の瞬間に また飢餓状態になり次の本を読みたくなる。
今日は 掃除のあと また本を物色しに行こうと思う。
年末年始は 実家にちょっと顔を出すくらいしか予定を入れて
いないから、時間を持て余す気がするのだ。
デートの予定は、あえてクリスマスと大晦日と元旦を外して入れた。
彼らがそれを どう捉えているのかは判らない。
恋愛に発展するのかどうかも定まらない相手ばかりだ。
でも、本を読んで全身を満たすだけでなく、「ヒト」と濃密な
時間を共有することで 全身が満ちてゆくのが「人間」なのだと思う。
今年の冬、特定の彼氏は いないけれど、色んな人と会って
色んな話をして、自分を成長させられたら良いと思う。
「孤独な時間」も、大切にしようと思う。
最近 やっと そう思えるようになってきた。
「孤独」だって、きっと人を成長させるのだと思うし。
「孤独な時間」は、やはり本を読もう。
いろいろな人生を疑似体験して、今の薄っぺらな人間を卒業しなきゃ。
■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 八文字屋 》 5階
チーム・バチスタの栄光 各500円
上・下
海堂尊
..........................................................
*働きマン ; 安野モヨコ作のマンガの主人公
松方弘子の異名。
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ほんと、毎回楽しく読んでます。
私も読書は好きなのですが、なんとなく
読むジャンルが偏ってしまいがち(エッセイがすきです)なかなかね…
チーム・バチスタ、今度セルバへいったら
手に取ってみます。
よるみちさんってほんとうに
すてきだわ。きっとどんな立場に立っても
きっち!と、こなしてしまうんだろうな~
よるみちさんのゆとりある感じ、私もほしいな。少し気持ちにゆとりをもって生活しようっと!
■chibidureさん■
やだぁ!(汗)
「ゆとり」なんて、私には全っ然、似つかわしくないコトバです。
いつも いっぱいいっぱいで、必死です。
でも、いつかchibidureさんのイメージどおりの人に なれたら、いいな。
ゆとりのある人って、素敵だと思うから。
読書に関しては、最近 コダワリとかカタヨリは減ってきました。
いろんな作家の、いろんな作品に触れたい、いろんなこと知りたい!って思うように
なってきた感じです。一見 難しそうに見えても 実際はそうじゃなかったり、すごく簡単そうに見えても 実は奥が深かったり。
読書ってほんとうに楽しいです!