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2007年03月11日:“食”のこと

【 なめらかプリン -Pastel- 】

3月1日のSELVA リニューアルオープンで 新しく仲間入りした
いくつかのショップを覗いてみると、懐かしいお店を発見。


1階の“パステル”。

pastelbox.jpg

まだ私が大学4年生だった頃。
証券会社への入社が決まったのが12月頃だったと思う。
アメリカのシリコンバレーから広まった“ITバブル”の影響で
東京証券取引市場でも商いが活発化した。
他業種では相変わらず就職氷河期と言われていた時代であったのに、
証券会社は 人手不足を懸念し、こぞって採用内定者を増やした。
そして、内定通知を受け取った大学生の心変わりを防ぐためなのか
頻繁に“研修”という名目で大学生を東京に招き、日当を支払った。
研修の内容は“親睦”がメインで、経済について学ばせるとか、
そういった、いわゆる‘つまらない’ことは 一切なかった。
アルバイトをしているとは言っても、基本的にお金のない学生だったから
支払われる日当の数万円という金額は、私にとって大きなものだった。
会社の研修センターで1泊して新幹線で仙台に帰るときは いつも、東京駅に
隣接するデパートで その日当の中からおみやげを買った。
たとえばそれは“東京ばな奈”で あったり、“キティちゃんの人形焼”で あったり。
そういったおみやげの中に“パステルのプリン”もあった。

nameraka.jpg

どろりとした口あたり。
商品名どおり「なめらか」ではあったが、グリコのプッチンプリンや、母 手製の
卵黄たっぷりの しっかりした固さのプリンに慣れた私の口には合わなかった。
家に持ち帰っても家族からも不評で、文句を言いながら食べる家族に
「でも今はこれが流行の味なんだから」などと言い訳したのを憶えている。
舌の肥えた友人達には好評だったのに。

都会での流行に違和感を覚えつつも、何とかそれに乗りたいと思う自分。
自分の好みには合わなくても、それを受け容れる人は大勢いるのだという事実。
そして、それが『社会』なのだということ。
流れの速い『証券業界』や、自分を甘やかしてはくれない『社会』に
飛び込んで行かなければならないことについて、初めて不安を感じた瞬間。

その後、入社してからも たびたび東京に研修に行った。
でも、もう“パステルのプリン”は買えなかった。
それを食べたら、また不安になってしまうような気がして。

あれから約7年。
証券会社を辞め、全く違う業界で私は働いている。
遠く感じていた東京には、今は弟と妹が暮らしていて、その気になれば
いつでも行ける距離になった。 そして、7年の間に、東京でしか
買えなかったものが仙台でも買えることが多くなった。
SELVAにパステルがオープンすると知ったときには、それほどの感慨は
無かったけれど、傍を通ったら、あの どろりとした食感が懐かしくなった。
水色の箱に入ったプリンを、抱えるようにして持ち帰り、ひとくち。

やはり、あの味。

たった1度しか食べたことの無い味だったけれど、心底 懐かしく思えた。
『なめらかプリン』は もう流行の品ではなく、しっかり定番としての地位を
築いている。
私は、どうだろう。
7年の年月相応の成長ができているだろうか。


**********************************

『なめらかプリン』と一緒に買った『プリンケーキ』 『ショートケーキ』。


puddingcake.jpg

ichigocake.jpg

『プリンケーキ』に用いられているプリンは、なめらかプリンと較べて
しっかりした食感。 美味。 とにかく美味。
スポンジに含ませてあるカラメル風味のほろ苦シロップが
クリームやプリンの甘さを引き立てる。
いちごショートケーキは、スポンジとスポンジの間にも
ぎっしりといちごが詰まっていて、いちご好きには たまらない。


■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■ ■
《 Pastel 》 1階
なめらかプリン  294円
プリンケーキ   378円
いちごショートケーキ 420円

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