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「今」と「昔」が混じり合う場所ー雑誌編集者が語る、泉区の魅力

仙台市に、自分一人で宮城県の街や人や自然を取材し、写真を撮り、雑誌を作ってしまった人がいます。雑誌では、今まで見過ごされていた「泉区」の魅力にも触れています。今回すべての記事の執筆・写真・編集を行った著者に、仙台市や泉区の面白さについて聞きました。

「歩いていると、小さな発見がある」

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 青葉区に住む相沢由介さん(36)は、今年10月、写真雑誌「IN FOCUS」(インフォーカス)を創刊しました。今まで、文章を書く仕事をしてきたわけではありません。2011年の東日本大震災の際、アメリカのメディアが配信した写真ドキュメンタリーに触発され、写真雑誌を作ることを思い立ったといいます。雑誌には、「宮城を視るドキュメンタリーマガジン」という副題が付いています。

 相沢さんが心がけたのは、宮城の人、モノ、場所を「そのまま」表現すること。相沢さんが相手と向き合って、見聞きし、理解・共感したことを書いてきました。雑誌には、津波被災地の仙台市若林区荒浜に今も「明かり」を灯しにくる元住民らのことや、チェーンソーアーティストのこと、薬局の人、お見合い結婚コーディネーターなど、県内の多様で魅力的な人やモノが登場します。

 「街を歩いていて、自分が興味を持った対象を取材する」と相沢さんは言います。例えば、仙台駅前アーケード商店街にある「桜井薬局」のオーナー薬剤師、桜井昭夫さんに取材したのは、「アーケードを歩いていて、店の外からチラッと桜井さんの姿が見えたから」という理由だったそう。

「道端にあるもの」の面白さ

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 街を歩いていて、本当に雑誌のネタはあるのでしょうか。相沢さんは、「ある」といいます。「街を歩いて、出会った人に話を聞くと面白い話がきけることがあります」。

 「田んぼの脇を歩いていると、虫がいたり、サルやシカに出会ったり。道端にあるものに目を向けると、普段通り過ぎてしまうようなところにも、立ち止まるキッカケはたくさんあります」

「昔の生活」の跡がたくさん見つかる「イズミ」の魅力

 そんな相沢さんに、「イズミ」の魅力を聞きました。

 「イズミは、(仙台駅前より)郊外の土地が多いです。田んぼの風景と、住宅街が自然に共存しているところがとてもおもしろいと思います。『街』が、それほど侵食していないと思います。『人の生活』の場所と『自然』がせめぎ合っている場所だと思います」

 「人の生活」と「自然」がせめぎ合っている?どういうことでしょうか。相沢さんは、雑誌でも採り上げた、泉区にある「馬頭観音」(ばとうかんのん)の石像について、教えてくれました。

 「泉区の住宅地のとなりに、馬頭観音像がある場所があるんです。馬頭観音とは、昔の人が『馬』を供養するために作った石像と言われています。石像を作るくらいですから、昔の人が馬をとても大切にしていたのが分かりますね。そんな馬頭観音が、泉区にはとてもたくさんあるんです。しかも、住宅地の中に何気なくある。それは、この地域に昔、それだけ馬がいたということなんです。今は、馬はいなくなってしまいましたね」

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(泉区にある「馬頭観音」。「IN FOCUS」提供写真)

 郊外の住宅街だとばかり思っていたイズミにも、深い歴史が埋まっているようです。相沢さんは、こう話します。「泉区には、博物館に入っているような昔の痕跡が、昔からの姿で、(街のあちこちで)視ることが出来るのが、とても良いところだと思います。それだけ『今』と『昔』の距離が近い地域なのではないでしょうか」

■「IN FOCUS」は、税抜1部700円。『ジュンク堂書店仙台TR店』『book cafe 火星の庭』『あゆみBOOKS仙台一番町店』など、仙台市内の書店で購入できます。

※この記事はニュースサイトTOHOKU360(tohoku360.com)からの配信記事です。

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(植えたばかりの苗木を見守る醸造家の北村工さん。品質が良くおいしいワイン造りに情熱を傾けている)

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